人狼(じんろう)

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皆さんは人狼(じんろう)というゲームをご存知ですか?

もともとはドイツで考案されたという説が濃厚ですが1930年頃、ヨーロッパでプレイされていた伝統的ゲームをもとに、アメリカのパーティーゲームメーカによって2001年に発売されたゲームだそうです。

さすがにドイツが発祥の地というだけあって、極めて論理性合性を重んじる複雑かつ参加者の演技能力が重んじられるゲームです。

このゲームを2年がかりで脚本を完成して舞台で上演されることになり、ごく身近な人間も出演者として出演することになりましたのでゲネプロ(本番前最終リハーサル)から三回観ましたが、今まで経験したことの無い舞台に驚愕すると共にとても面白く鑑賞することが出来ました。

パンフレットからの要約ですが、あらすじを簡単にご紹介します。

人狼。それは満月の夜に人間を食べた狼が、月光の魔力でその人物になりすまし、家族や友人を夜ごとひとりずつ餌食にしていく忌むべき存在。

ヨーロッパのとある小さな村に、3匹の人狼が紛れ込んだ。

容姿ばかりか記憶やしぐさまでも生き写しの人狼は、死んでも化けの皮をはがさない。

見知った顔が既に人狼かも知れないと、疑心暗鬼にかられ、怒り、怯え、怒鳴り、泣き叫ぶ人。

だが、彼らは話し合い、やがて合理的かつ非常な覚悟を決める。

人狼を滅ぼす暇で毎日、全員の発言を各々がぎんみし、多数決でもっとも疑わしい者を処刑していこう、と。

かくして、悲壮な心理作戦が始まった。

はたして生き残るのは村人か、それとも人狼か?


私の観た『人狼ザ・ライフプレイイングシアター』は、村人や人狼など役者自身もその回の舞台上演10分前にカードを引いてそのキャラクターの役割を決められ、3匹の人狼の役になった者同士以外の8人の役者はだれがどういう役割を担っているか分からないという、役者泣かせの舞台でもあります。

私はゲネプロ(本番前の最終リハーサル)を含め上演期間中に三回観ましたが、ステージごとに変化する役割を担って12人のキャラクターがアドリブでうそをつき、相手を疑い、裏切られ、それでも絆を信じて行動するという本当に観客を動員して一緒に推理しながら進行するスリリングなエンターテインメントです。

恐らく、実際に人狼ゲームを体験されたことの無い人たちは上記説明でも良くお分かりにならないと思います。

私は初回から面白いとは思いましたが、三回観て漸くその奥の深さの一端が見えた程度です。


この複雑な内容のゲームを二年間かけて上演に漕ぎ着けたプロデューサーの方には最大限の賛辞を送りたいと思いますし、一日多いときは三回の舞台で同じ組み合わせは絶対に有りえないキャラクターを演じた12人の役者には心より敬意を表したいと思いました。

人狼ゲームがこのような形でプロの役者達によって舞台で上演されたのは初めてだと聞きましたが、恐らく今後いろいろなところで上演されると思います。

その際はぜひとも一度ご覧になりますことをお勧めします。

上演された劇場も収容人数が100名程度の小劇場でしたが、舞台と観客が一体感を保ちながら舞台が進行する最高の舞台設定でした。

私が小さい頃済んでいたドイツにはいたるところに小劇場があり、その多くはひっそりとした昔の石畳の細い道に面していました。

1973年のエルトン・ジョンの名曲 Good bye to yellow brick road(黄色い石畳の道) をふと思い出しながら晴れやかな気分で劇場を後にしました。


都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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