領土問題

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昨今、近隣諸国と我が国の領土の一部である島々の問題を巡り国家間の大きな問題に発展しつつありますが、政治家の対応はもとより、国民一般の意識も相手国側の国民に比べて極めて低いような気がします。

消費税の値上げやオスプレイが配備されるかどうかの問題の国民の騒ぎに比べて、いみじくも国際法で我が国の固有の領土とされている島々が近隣諸国に実質的に実行支配されていたり、個人が所有していた島を政府が国有化したことによる反日暴動などに対して極めて無反応に近い反応しか示していないような気がします。

公か不幸か日本はタイ国と並びアジアで唯一占領もしくは植民地化されたことのない国なので、多くの国民のDNAには、国を失ったり分断された国々の国民が何よりも重要だと位置付けている国防精神に大きく欠けていると感じざるを得ません。


私は、父が外交官だったので幼少の頃から海外生活を長くしました。

父が東西問題の専門家でしたので、1964年から1968年までは当時世界で一番緊張していた西ベルリンに住んでいました。ベルリンの壁を隔てて西側は自由の国、壁の向こうは当時のソ連に統治された自由のない国という現実を四年間目の当たりにして、国を分断され支配されている国民の悲哀を嫌と言うほど見てきました。

また、その後私は帯同しませんでしたが、父親が大使として赴任した最初の国がイスラエルでした。
高校三年の夏休みに一度訪れましたが、こちらは国の分断どころか2000年間国を失ってたわけですから、国民の国防意識の高さは尋常で有りませんでした。安定した国がなければ何も始まらないという意識が全ての国民に浸透していていました。


翻って我が日本では長年日米安保条約のもとに、国民が国を独自で守るという意識に欠け、国は米国が守ってくれて当たり前、自らは経済発展に注力すればよいともとれる国防意識の低さに、幼少の頃11年間の海外生活を経て子供ながらに国を守る大切さが身に染み付いていた私には愕然とする思いでした。

その最大の理由は現代の若者のみならず我々の世代でさえ、日本の近代史を殆ど授業で学んでいないからだと思います。現代を語るに余り関係無い邪馬台国の卑弥呼のことや鎌倉幕府がいつ樹立したかなどの問題は受験問題にもでますが、高校で学ぶ日本史はせいぜい江戸幕府が樹立された頃まででしょう。

現代を語るのに必要不可欠なのは明治維新後の歴史であり、その歴史を知ることなく周辺諸国との問題は語ることは出来ません。

私はたまたま日本のことを知るために維新前後から第二次世界大戦に至るまでの歴史を独学でかなり勉強しました。

江戸幕府の大政奉還から世界の列強に近づくための国策並びに不幸にも最終的に第二次世界大戦に突入していった歴史的な事実を学ぶことなく、現在近隣諸国との領土問題を含めた諸問題の解決を図ることはできるはずがありません。

いたずらに近隣諸国との緊張を高めることなく外交的かつ平和裏に問題の解決を図るには国民がもっと近代史を学ぶことが必要不可欠だと思います。


そして、大名時代さながらの世襲制議員やマスメディアの露出度の多さで無党派層の指示を得て国政に参画する素人政治家達を選出しない国民の一票が真に問われていると思います。

私に政治というものに関心を抱かせてくれた政治家の一人は、1963年に凶弾に倒れた米国のJジョン・F・ケネディー大統領の言葉でした。

『親愛なる米国民の皆さん!国が皆さんのために何をしてくれるかではなく、皆さんが国のために何が出来るかを考えてください』

自信に満ちた真のリーダーの言葉として感銘を受けました。


その後米国はベトナム戦争が泥沼化していく過程で疲弊していきましたが、いろいろな至難を経て力強く立ち直って行きました。

JFKが凶弾に倒れた年に流行したブラザーズ・フォアの名曲 ” フォー・ストロング・ウィンド” この季節になると懐かしく思い出します。



都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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領土問題 への2件のフィードバック

  1. 熊野南 のコメント:
    日本の近代史や明治維新後の歴史以前に、そもそも、小学校の最初から、式典での国旗掲揚(日の丸)・国歌斉唱(君が代)に反対を主張される先生方(及びその組織)もおられる環境で教育を受ける訳ですから、自国に対する認識もそれなりの影響を受けるのではないでしょうか?
    敗戦後、GHQの指導の下に戦前の軍国主義を一掃=日本の民主化という名目の様々な施策(明治憲法の抹消、修身や教育勅語の廃止、東京裁判、日の丸・君が代の禁止等)が行われました。にもかかわらず、近隣諸国・対欧米との関係を見据えた(日本の立ち位置をわきまえた)正当な愛国心は、家庭でも、学校でも、社会でも、育成されなければならなかった/しなければならないのではないか、と思います。
    • 都倉 亮 のコメント:
      理想的には戦後、仰るとおり良いことは良い、悪いことは悪いという教育が施されるべきでした。

      でも、私は今からでも正しい近代史に関する教育をもっと行っていくことが必要不可欠だと思います。

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