プレッシャー

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6月8日に拙著『諦めない生き方』が発行されてから、いろいろな取材に加えて従来に以上に講演や中小の集会で話をする機会が増え、7月には大小10を超える講演もこなし肉体的にも一杯一杯の状態でした。

3月に出版の話が正式に決まってからほぼ休み無く活動して来ましたので、私自身休息の必要性を感じていました。

8月の前半は意識的に大きなアポイントメントは入れないようにし、学生時代からの親友の好意で北海道の別荘に招待して貰ったりして久々の休日を満喫しました。

北海道でも夜はテレビでオリンピックを観戦しました。


連日熱戦の繰り広げられたロンドンオリンピックも13日に閉幕しましたが、開会中はロンドンとの時差の関係で、睡眠不足を余儀なくされた人達も多かったのではないでしょうか?


私もどうしてもみたい競技は生放送で観るために夜更かしをしたり、逆に夜中に起きたりして観戦しました。


今大会は、従来の大会に比べて今まで余り日本勢の活躍が目立たなかったいろいろな種目での活躍が目立ち、競技種目の裾野が広がったという実感がありました。


また、日の丸が国旗君が代が国歌として誇りを持っている私としては、表彰式の時に掲揚される日の丸と金メダルを取得したときに流れる君が代は、共通の拠り所のない現代の日本人に国家意識を強く感じさせてくれたものであったと思いました。


競技の結果は悲喜こもごもいろいろありましたが、一つだけ気になったことがありました。

それは、他の競技種目に比べて柔道の選手たちが男女を問わず異常なほどに金メダルを取らなければならないという強迫観念のもとに試合に臨み、期待通りの結果が出せなかったことです。

異口同音に金メダルを取れなかった選手は、『金以外は意味がない』、メダルを取れなかった選手の中には、泣いて詫びていた選手もいました。


柔道がいまだにお家芸と言われ、オリンピックでも世界大会でも金メダルをを取らねばならないという考え方自体が時代錯誤しているのではないでしょうか?


柔道が正式にオリンピックの種目になったのは、1964年の東京オリンピックでしたが、時は既に48年の年月を経ています。

その間、柔道は世界中に広まり、ルールも元々のものから大きく国際化したルールのもとで戦われています。

更に、軽中量級ならまだしも他の格闘技や体重別競技では、はなから日本選手の活躍は期待されていないなか柔道だけは金メダルを取ることが各選手の双肩に重くのし掛かっているのです。


最近プロ、アマを問わず多くのアスリートは競技を楽しむという言葉を使います。

柔道以外の競技の選手も異口同音にオリンピックを楽しみたいという発言が目立ちました。

これは緊張を軽減させるための一つの方便で、それなりの緊張はとても強いものがあると思いますが、少なくとも柔道選手が背負っている金メダル以外は意味がないというような切羽詰まったものは感じられませんでした。


同じ体重別格闘技のレスリング、ボクシングなどの選手はそれなりの重圧は圧し掛かっていたとは思いますが、柔道の選手が背負っていた一種独特の悲壮感は感じとれませんでした。

その結果、本来の実力が発揮されよい結果に結びついた面もあったと思います。


スポーツの世界だけではなく、最高の実力を発揮するためには先ずは自分が最高の状態で集中することが必要だと確信しています。


私が、幼少時代に過ごしたドイツのアメリカンスクールで先生に言われたことはその後私の人生に大きな影響を及ぼしました。


“Do what you can. And just enjoy”.(やれるだけのことはやりなさい。後は楽しむだけだよ。)

そのお陰で私の人生の多くの局面でプレッシャーに打ち勝つことが出来ました。

日本柔道の代表選手は間違いなく各階級で世界のトップレベルです。

柔道競技に参加した選手を見ていて、国の期待が全て個人の双肩にかかっているという重圧から一日も早く解放されて、伸び伸びと競技に臨める日が来ることが一日でも早く実現することを望みました。


都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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プレッシャー への2件のフィードバック

  1. 肥山 実 のコメント:
    はじめまして、福岡に所属しています肥山 実と申します。
    都倉様と同様、今年のLONDONオリンピックに一喜一憂していたファンです。
    都倉様のご指摘通り、「Do what you can. And just enjoy.」良い言葉ですね。また「practice makes happiness」もあります。国民性の違いなのかとも思ってしまいます。日本発祥の柔道、プロの相撲についてもグローバル化しているにもかかわらず、例えばPractiveの方法自体も対応し切れていないのかもしれません。今後の課題として、失敗の原因をまず明確にすることから始まると思います。
    大分の植山朋代様の 8/8にウオールに書かれている言葉が印象的でしたので、改めて引用させて頂きます。NHK合唱コンクール大分県予選に参加された息子さん達を指導された顧問の先生が、本番前日に話されたお言葉が彼らを県大会金賞受賞に導いたと思います。
    「合唱で大切なのは精神修養ということです。本番ステージに上がると、緊張したり、気分が高揚したりして、なかなか普段の実力を発揮することは難しいもの です。そんな時に、”折れない心”を培っておくこと、それが日々の精神の修養ということです。歌は、心です。心を伝えるためには、言葉を伝えなくてはなり ません。美しい日本語を、聞いてくださる方々の心に伝えましょう。心と、言葉と、そして表情で、素晴らしい合唱は作られるのです」・・・。
  2. 林三雄 のコメント:
    オリンピック所感全く同感です 日の丸 君が代 胸に沁みました 明治維新 敗戦による昭和維新 これから平成維新  地球上みんながenjoy出来る道を祈念して

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