オフレコ発言

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日本の政治及び政治家に関しては私も度々ブログで取り上げていますが、ここのところ新国防相の度重なる失言問題を始めとする政治家関連の話題が一般メディア報道のみならずフェースブック、ツイッター他ソーシャル・ネット・ワーク(SNS)で連日取り上げられています。

昨今の政治家の失言や不見識な行動には耳を疑い目を覆いたくなるものばかりです。

しかし、政治家の資質、適正を問いただすことはとても重要だと思いますが、その報道のあり方にもいささか疑問を感じることも往々にしてあります。

日本の政治は現在の政治家の選出方法が変わらない限り変わらないでしょう。

そして、このままでは政治家の失言や不適切な行動は絶対に無くならないと断言します。

ものごとの本質は実に単純明快だと思います。

政治家としての適正の有無を問わず世襲、ワイドショーを始めとするメディア露出を高めることによって無党派層の票を得て国政に参加する。

そして当選回数を重ねるだけで順繰りに閣僚ポストを与えられるという構図は、失言や不適切な行動を生み出す温床となっていることは火を見るより明らかではないでしょうか?


現在の日本の大多数の政治家は、世界の先進民主主義国のプロの政治家と比べると全くのアマチュアレベルの政治家だらけだと思います。

スポーツ界に例えると日本では最も運動神経のある若者がサッカー、野球など人気競技を選ぶのに対して、政治家という職業自体が魅力のない不人気競技に属する職業なのだと思います。

詰まり、スポーツで言えば本当に運動能力の高い有能な若者は『政治家という競技』は選ばないでしょう。

まあ、スポーツ選手は親のコネや単なる表面的な人気だけではなれませんが(笑)

そして、その政治家の失言や不適切な行動を監視する役割を本来はマスコミが担っています。

それでは、日本のマスコミのレベルはどうなのでしょうか?

私は日本の多くのマスコミは本当の情報を収集する能力は欧米先進国に比べると極めてアマチュアレベルだと思います。

日本で報道されている海外のニュースもその多くは情報源が非常に限られた欧米メディアなのです。

日本の大使館、領事館などの在外公館やその国に深く根付いている企業などにも取材に行きますが、私の体験では在外公館やそういった企業の情報なども殆どが限られた情報です。

三井物産時代、三井物産の保有する情報はCIA以上だなんて言われていましたが、実情は大したことはありませんでした(笑)

本当の情報は独自の情報網によってその情報源に直接入り込まねば絶対に得ることはできません。

同じ情報源から得た情報を各社が多少加工して日本向けに発信されたものが日本で報道されているだけですから、どのニュースでも大同小異の報道にしかなりません。

日本のメディアによる海外の重要なニュースをいち早くスクープすることなど残念ながら今の取材のあり方では有り得ないのです。

以前、引退した老政治家の話の興味深い話を聞く機会がありました。

亡父と親しくしていた政治家で現在の右顧左眄してなんの決断も下せない政治家と異なり、戦後の日本政界に大きな足跡を残した老政治家だけにその話にはきちっとした筋が通り頷けることがいろいろありました。

同氏によると現在の新聞記者を始めとするマスコミに携わっている人間は昔に比べると皆小粒且つ不勉強でプロではないということでした。

同氏が引用した例で非常に考えさせられれる話がありましたのでご紹介したいと思います。

同氏がまだ若く最初に閣僚ポストについた頃、とても印象に残る新聞記者がいたそうです。

その記者とは通常の取材以外でも他の記者仲間と一緒に酒を酌み交わしながら

『オフレコ』

でいろいろな話もしたそうです。

因みに『オフレコ』とは英語のOff the record(オフ・ザ・レコード)の略称で、『記者会見などで、記録や公表をしないことを条件にすること』を意味します。

その記者は『オフレコ』で話したことは本来のあるべき政治家と記者の信頼関係に基づき絶対に記事にはしなかったそうですが、通常の記者会見などで述べたことは自分が言ったことではなくともいろいろ書かれたそうです。

しかし、それが不思議と自分の本来言わんとしていたことの本質を突いた記事が多かったとのことでした。

長年その理由が分からなかったそうですが、年を経て自分が首相を退任した頃にその理由が分かったそうです。

それはその記者が『オフレコ会見』で聞いたことは一切記事にはしなかったものの、『オフレコ』で話したことや『オフレコの場』での付き合いを通じて自分の人間性、考え方などをつぶさに分析していて、それをベースに『公の場』での発言の『言外の意』を読み取って記事にしていたのであろうと言うのです。

正に職人芸ですね(笑)

それに対して今の記者たちは『オフレコの場』での発言を即『特ダネ』として報道するという政治家と記者の信頼関係を断ち切るものだというのです。

こういうことでは政治家は絶対に本当の考えや気持ちを表面に出すことはなくなるであろうと危惧していました。

まあ、『オフレコ』の場での発言とは関係なく馬脚を現す政治家に事欠きませんが、確かに『オフレコ』というルールが破られると情報というものは収集しにくくなるのは事実だと思います。

私も日本在住の外交官の人たちとの幅広い付き合いを独自の情報源の一つとして持っていますが、大使級の外交官も『オフレコ』という前提で

『日本の民主主義は機能していない。本当にある物事を短期間に決めようとするなら一党独裁政治で決めるしかない』

とはっきり言い切る人もいます。

大使級の人間が言うのですから本国政府が日本をどう見ているかということは言わずもがなです。

無論、『オフレコ』で私に話してくれたのですから情報源は明かせません(笑)

日本が本当の世界市民の中の一員となるためには政府、マスコミに任せることなくソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)を真の情報収集、共有、配信手段として有効に使い、我々自身が当事者となって動かねば何も変わらないと思います。

間違いなくSNSはこれからの世の中を変える最大かつ最強の手段だと信じています。














都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 政治 タグ: パーマリンク

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