曖昧な病名

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朝のNHKニュースの特集で

『慢性疲労症候群』

という病名の曖昧さのお陰で医療関係者からも正確な理解、認知を得られずきちっとした治療を受けられなく悩んでいる患者の特集が報道されていました。

報道されていた患者の一人は原因不明の筋力低下が伴い、寝たきりの生活を余儀なくされていました。

恐らくこのブログを読んでいらっしゃる医療関係者の殆どはこの

『慢性疲労症候群』

という病名を聞いただけで正確に患者の容態を言い当てることは出来ないと思います。

私は兼ねてよりこの

『・・、症候群』、『突発性・・』、『特発性・・』、『慢性的・・』

などと言う病名に付く曖昧模糊な言葉に疑問をもっていました。


昨年9月にもやは転移の可能性は無いと太鼓判をおされていた癌の左鎖骨上リンパ節への転移が確認されました。

最初は転移した癌は左腕神経叢(そう)の上に乗っている状態という所見で、手術で癌を取り除いたあとに外来で癌細胞が触れていた神経に放射線を照射する治療を受けると言う方針でした。

ところが、実際手術をしてみると癌は予想外に腕神経に食い込んでいて、腕神経を二本切断せざるを得ませんでした。

更に、主治医としては安全をみてより大きな範囲で腕神経を廓清(取り除く)したかったようですが、それでは私の左腕の機能が完全に失われるため神経の切断は二本に止め、その代わりに1クール三週間の化学療法と放射線治療の併用治療を、間に一週間の休止期間を入れ2クール受けると言う治療を行うことにしました。

思いがけない展開と結果的に癌の三大治療を再び受けることに対して聞いたときは驚きましたが、それによって心が乱れることは有りませんでした。

2008年からの二年間の

『癌との闘い』

は確実に私をひ弱な人間から強い戦士に変えてくれていたのです。


寧ろ転移の可能性を否定し続けていた主治医の方が落ち込んでいました(笑)

今回は放射線治療を受ける前に、高気圧酸素室というカプセル状の部屋の気圧を上げ一時間以上に亘り酸素吸入を行いました。

この治療は通常の気圧より高い圧力環境のもとで酸素を吸入することで、血液中にたくさんの酸素を溶かし体内の酸素濃度を上げ、体内の酸素濃度を上昇させること、高い圧力を体にかけることで、様々な効果が得られるといいます。

実際のところ効果のほどは全く実感できませんでしたが(笑)

この治療を受ける患者はいろいろな患者がいて、一時間以上の同じカプセル部屋の中で一緒に酸素吸入をおこなうので、治療の前後にいろいろ質問しました。

するとそれこそ

『突発性難聴』

他『特発性・・』、『慢性・・』『・・症候群』

という名前の付くいろいろな病名の患者がいました。

しかし

『具体的にどのような病気なのですか?』

と質問すると

『・・・・・・』

と説明出来ない患者ばかりでした。

医局の医師たちに聞いても

『それは、こういう症状が伴うこういう現象で・・・・』

と明確に

『それはこういう病気です』

と回答出来る医師はいませんでした。

そうなのです。

そもそも明確に原因が特定できて回答出来るような病気でしたら何も紛らわしい

『突発性、特発性、慢性的、症候群』

などの言葉を用いる必要は無いのです。


医師たちは2008年に患った癌の闘病を経て私が2011年から見せた脅威的な回復にいつも驚いていました。

しかし、その原因に付いてはいつも

『医学的な説明が付かない』

というものでした。



そこで私は医師に聞いてみました。

『先生。私の回復は「突発性回復とか特発性回復」といえるんじゃないですか?』

と聞いてみました。

『都倉さん。私どもが知る限りでそういう用語は医学的にはありませんが』

という回答がかえってきました。

ユーモアが通じなかったようです(笑)








都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 日記 タグ: パーマリンク

曖昧な病名 への2件のフィードバック

  1. 穴澤 百合子 のコメント:
    都倉さんユニークな「突発性回復力」の名づけ親になれたのに~医学的用語なんて誰かが考えたはず・・・論文にして学会で発表しないと「医学用語」にならないのでしょうね。
    • 都倉 亮 のコメント:
      私が病名の名付け親になるより、医師の頭がもう少し柔軟になることの方が先決だと思います(笑)

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