ネヴァー・ギブアップ

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私が年末年始に一番多くの時間を割いたのは、癌を始めとする大病を患い将来に対する希望を失っている方々からのお便りに対する返信でした。

普段も基本的には24時間以内にご相談内容の緊急性を私なりに判断して、何かしらの返信をしています。

しかし、現在コンスタントに100通を超えるご相談を頂きますので、内容によっては短い返信若しくは同様のお問い合わせに対して回答した内容を引用して返信する場合もあります。

私が過去の闘病生活の中で体験してきたことですが、相談メールの中でも突出して多いのが医師との関係、特に医師に言われたことに関する問い合わせです。

大病を患っている患者が希望を失う大きな原因の一つは

『医師の言葉』

によるものです。

そして、多くの場合は

『医師と患者の信頼関係が構築されていない中での医師の言動』

が、患者を奈落の底に突き落とす原因となっています。

患者の苦しみを理解している 『良心の医師』 がいる一方で、目の前にいるのは心を持った人間ではなく単なる 『病んだ患部、病んだ臓器』 としてしか見ていないような医師も少なからずいることは、私自身が闘病生活の中でも垣間見てきました。

私が医師の言葉が 『死刑宣告』 になっている患者さんに強調することは、医師の言葉は単にその医師の

『知識と経験則の中からでている言葉に過ぎず』

参考にすることはいざ知らず

『医師の言葉によって自分の運命を決めてはならない』

ということです。

最近増えてきているのは日本在住の外国人からの相談メールです。

海外に行って一番不安なことのひとつは海外で病気になったり体調を崩した時です。

日本語でもなかなか医師とのコミュニケーションを図ることが難しいのに、海外の病院で治療を受けた日本人は、三井物産時代に見てきましたが、皆さん病気そのものと同様に医師を始めとする病院関係者とのコミュニケーションに四苦八苦していました。

それは日本在住の外国人も同様です。

日本の医療関係者は、医療先進国の中で群を抜いて英語でのコミュニケーション能力が低いといっても過言では無いと思います。

その一般的なレベルの低さたるや 『目を覆わんばかりのレベル』であることは私も見て来ましたが、日本在住の外国人の中では、日本では日本語が普通の日本人以上に出来ないとまともな治療は受けられないと公然と言われています。

年末も日本在住の外国人から深刻なメール相談を頂きました。

私の勧める比較的英語での治療が受けやすい医療機関のアドバイスも含めて一通りの私の考えを伝えた後、最後まで希望を捨てないことの大切さを強調する言葉として

“Never give up.ネヴァー・ギブアップ(諦めてはいけない)”

という事を強調しました。

昨日の新聞で総理の発言として 『ネバー・ギブアップ』 という言葉が引用されていました。

しかも、ギブアップの前に『ネヴァー』が四つついていました。

『ネバー・ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップ(絶対に絶対に絶対に絶対に諦めない)』

という、1941年に時のチャーチル英国首相がナチス軍の進行に苦戦を強いられていた時に用いた言葉だそうです。

総理は英国のチャーチル首相の言葉を引き合いに、消費税率引き上げの実現にかける決意を強調し、

『大義のあることを、諦めないでしっかり伝えていくなら局面は変わると確信している』

と述べ、一体改革の意義を粘り強く訴える決意を示した模様です。

私個人的には消費税のアップは日本の将来に向けて不可避だと考えています。

しかし、ある発言を行うことにより野党から反発を喰らうことのみならず与党内部からも反対意見が出るというような

『永田町の村社会の中で足の引っ張り合いをしてそのツケを国民に回すこと』

の繰り返しは最早絶対に許されないのです。

国民との信頼関係が築かれていれば、国民の大半はは必ずリーダーの言葉を支持するでしょう。

私は医師と患者の理想的な関係として

”Doctor as a medicine.(医師の存在自体が薬としての効用を満たさねばならない)”

という全人的な医療面接法(バリント法)の創始者のマイケル・バリント(1896-1970)の言葉を度々引用していますが、

政治家は本来

“Politician as a trust.(政治家の存在自体が信用でなければならない)”


ぐらいの自覚を持って言葉を発しなければならないのです。

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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