忘れてはいけないこと

Pocket

企業のさまざまな不祥事に関する事件は政治家の失言と相並ぶ日常的なこととなり、国民もさもあらんとちょっとしたことでは驚かなくなり、事件も時を経ることなくなく短期間で風化してしまいます。

日本人は良い意味でも悪い意味でも

『喉もと過ぎれば熱さを忘れる』

一面が強い国民だと思います。

私のブログでも取り上げました、一部上場企業の精密機器メーカーも、解任されたイギリス人社長の告発に端を発し、第三者委員会が調査に入りました。

その結果発表により、隠していた損失額は2003年時点で1177億円だったことが判明しました。

更に、損失隠しに関しては前会長兼社長を始めとする3社長も認識していたと言います。

原因は、

『経営中心部が腐っており、悪い意味でのサラリーマン根性の集大成』

と批判して締めくくったと報道されていました。

この極めて抽象的かつ曖昧模糊な調査結果でお仕舞いと言うのでは茶番です。

因みに、この隠していた損失額は、同社の2011年3月期の連結決算の純利益の約18倍に相当するということですから、たまったものではないのは同社の株式を保有している株主の人達です。

同社は上場廃止になるか、仮に上場廃止にならなくても株式の下落による株主の被る損失は計り知れません。

会社勤務をしている方なら大体分かると思いますが、確かに指示を出していたのは社長達だったのかも知れませんが、社長達が長年に亘り直接実務に携わり不正操作をしていたなんてことは有り得ず、会社の財務、経理部門の関与無くして、このような不正操作など有り得ないのです。

大企業で実際の実務に一番長けているのは課長、課長前の担当者ですから、実際はかなりの数の社員がこの隠蔽工作に関わっていたのです。

一言で言えば

『会社ぐるみの隠蔽工作』『会社ぐるみの詐欺行為』

です。

私なりのブログのテーマに沿って言えば

『村社会の多くの村民を巻き込んだ隠蔽工作、詐欺行為』

なのです。

この不正な隠蔽工作に心を痛めていた村民も少なからずいたに違いありません。

しかし、『村八分』になることを恐れて、真実を言う勇気がなかったことは残念です。

そして、幕末のペリーの来港、ロッキード事件の同社米国人社長の発言、今回の元社長のイギリス人の告発と同じことの繰り返しです。

詰まり、いずれも内部の自浄作用が働かず、文字通り外圧によって初めて内部が動き出すという日本社会の構造です。

『同じ類のみが群れあい、異質なものを受け入れない』日本社会のあらゆる側面にはびこる『村社会的体質の改善』無くしては、同じことが未来永劫繰り返されると確信しています。

日本の村社会にはびこる、物事の善悪の判断は

『ばれなきゃいい』

と言う考え方が支配している気がします。

キリスト教的な

『大切なのは神と自分との関係』

と言うことに習うまでもなく、日本でも古来より

『天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)』

と言う格言が有ります。

意味するところは、

『天の網は目が粗いようであるが、悪人を必ず捕らえる。悪事をはたらいた者は、必ず天罰を受ける』

ということです。

政治家の言っている理想論ではなく、各位が自分達の所属している『村社会』を風通しの良い村にするための努力をして、日本が『良い村の集合体』になれば日本は自ずと再生すると確信しています。

福澤諭吉先生は、幕末に生き日本が近代国家を樹立するに際し、日本人に対して従来の考え方を改めるべく

『独立自尊』

の教えを説きました。

その精神に基づき福澤先生はは私の母校の慶応義塾を創設されました。

しかし、福澤先生の教えは別に慶応義塾関係者だけに向けた教えではなく日本人全体に向けた教えです。

一般的な日本人には福澤先生の『独立自尊』の教えは余り馴染みのないものかも知れません。

しかし、今こそ福沢諭吉先生の

『独立自尊』

の教えの重要さを国民一人一人が学び、各位がそれぞれ属している村社会を

『良い村』

にして行くことに、全力を傾注すべきだと信じます。

それにより必ず日本の再生のきっかけは作れると確信しています。

そのためにも、『忘れるべきこと』と『忘れてはいけない』ことをしっかり峻別していき、そこから学習していくことが肝要だと信じます。

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: ビジネス タグ: パーマリンク

忘れてはいけないこと への1件のフィードバック

  1. 都倉 亮 のコメント:
    ご貴重なコメント有り難うございました(^^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です