
少子高齢化の問題が取りざたたされて久しいですが、国民が「正にこれだ」と言う目に見える対策は政府から打ち出されてはいません。
一番重要なことは、女性が子供を産み育てながら働く環境を構築することですが、これは社会の考え方が抜本的に変わらなければ実現できないと思います。
私の友人の女性でスウェーデン人と結婚している人が女の子を出産してある一定期間産休をとったあと、そのあとは何とご主人が一年間子育ての為に休暇をとるというのです。
そのご主人は理科系出身のエリート社員で、勤務している会社の新技術開発部門の責任者の人です。
私が
『会社の方は大丈夫なの?』
と質問したら
『今はメールもパソコン会議も出来るから必要な時は何とでもなるよ』
と実にあっさりとした答えでした。そこには 自分がいないと会社は大変なことになる と言うような考えはみじんなりとも感じられず、日本のはやり言葉でいうイクメンに一年間徹しようと言う本人の意思並びにそれをサポートする社会体制を感じました。
日本の場合、言葉の上では イクメン などという言葉が流行していますが、イクメンの前に女性にもっと長い期間産休を与え、上場企業は託児所を完備して当たり前ぐらいの社会体制になれなければ人口の自然増加は望めないと思います。
短期対策として言うなら、これは積極的な移民対策しか手は無いと思いますが、移民を受け入れることは村社会の集合体である日本が一番苦手としていることです。現に日本の移民受入数の少なさは欧米先進国に比べて桁違いに少ないですが、異質な文化を持ち合わせた人間も日本人として受け入れることも積極的に取り入れるべきだと考えます。
そして、移民というの日本人は大人の外国人を考えがちですが私は、少子高齢化の対策で積極的に日本政府が検討すべきは、外国人難民の子供たちなどを子供が欲しい日本人と養子縁組していくことを積極的に検討すべきだと思います。
ヨーロッパに行くとその国の夫婦がアフリカ系、アジア系難民の赤ちゃんを養子縁組して自分たちの子供として育てている風景に良く出くわします。
私のドイツ人の友人夫妻もベトナム難民の子を養子縁組して自分たちの子供として育てていますが、ドイツ語もドイツ人と同じように喋り、ドイツ社会にもすっかり適応しています。過日来日したブラッド・ピット夫妻の子供たちも実の子とアジア系難民の子供を養子縁組した子供たちです。そして、子供たち全員を同じように愛情を注いで育てています。
さて、国民数の自然増加という意味では、育児制度などの抜本的な見直しが早急に望まれますが、労働人口(生産力年齢人口)の問題だと話は異なります。
統計的な労働人口(生産力年齢人口)の計算は、上限が64歳という役所の数字で計算されています。
しかし、実際問題として65歳以上の人達でも若手並みかそれ以上に活躍できる人は世の中に溢れるほどいるのです。老人や高齢者の定義は全て役所で作られ国民は洗脳されているだけです。
私の敬愛する今年の10月4日で満100歳を迎えられた、聖路加国際病院の日野原重明理事長は、老人や高齢者という言葉から連想されるイメージを変えようと2000年に「新老人の会」という今までお役所発想ではあり得なかった会を発足されました。
「新老人の会」は75歳以上をシニア、60~74歳をジュニア、60歳未満をサポート会員としています。今年で12年を迎えますが、精神面でしっかりとして前向きに生きている人達が集まっています。
会のスローガンは
1. 愛し、愛されること
2. 創めること
3. 耐えること
自分の命も他人の命も大切にし、子供たちの間のイジメをなくし、戦争を地上からなくすための平和運動を起こそうと言うのも会の使命ですが、活動は海外まで広がり現在会員数は12,000人を超えています。日野原先生は当面会員数を30,000人まで増やし、より前向きな発言力を強く発信していける会にしていくことを考えています。
この度、日野原先生より「新老人の会」の国際部門を手伝ってほしいとの要請を受け、9月21日の定例会議で紹介を受けることになっていましたが、癌の転移が発見され、21日から入院、翌22日に手術という事になったので出席できませんでしたが、退院したら積極的にこの会の発展の為に微力を尽くしたいと思います。
注目して頂きたいのは、「新老人の会」では役所が生産力年齢人口から除外している65歳から74才までは まだジュニア会員 なのです。75歳になって初めてシニア会員として認められるのです。
100歳で超人的なスケジュールを日々こなされている日野原理事長は別格としても、「新老人の会」では75歳まではまだまだ老人ではないと定義しているのです。
役所、企業の決めた表面年齢だけの定年制で、どれだけまだまだ生産性を高めることに寄与できる優秀な人材が職を去り、新たな職場を求め発展途上国などの技術発展に寄与しているか分かりません。
健康管理をしっかりしていれば、70歳の半ばまでは十分に普通並みの戦力として社会貢献できることは間違いないと思います。
特に「新老人の会」のスローガンを順守している人達でしたら75歳以上の人達でも十分に社会貢献できます。
政府、役所も 少子高齢化時代に突入して大変だ と 大山鳴動ネズミが一匹 の大騒ぎをするより、新老人の会の会合 に参加されたらいかがですか?
自分たちよりエネルギーに満ち溢れた人々を見ることにより、如何に自分たちの政策が間違っているかという事を目の当たりにすることが出来ると思いますよ(笑)