本当のボランティア活動

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私がフェースブックで参加している一つのグループの方が、昨日ブラッド・ピット一家が来日した際のブラッド・ピットの記者会見並びに被災地訪問の模様を編集したビデオをアップして下さいました。

その中で、ブラッド・ピットはインタビュアーの来日の目的を聞かれた時に

「新しい映画が日本での公開キャンペーンで来たというのは建前論で、本当はもっと早く被災地に来たかった」

更に被災地では野球少年たちにサイン入りのボールを一人一人に渡しながら、

「自分たちなどの様なエンターテイナーが被災地の人々の心を癒すことが出来ればうれしい」

と言う風に話していました。

今年の初夏にレディーガガが来日した際、私はそれまで彼女が現在の世界のポップス界に君臨しているエンターテイナーだとは知っていましたが、それ以上にむしろその奇抜なファッションや奇行を見聞きする機会の方が多かったです。

しかし、今回の来日を通じて彼女が東日本大震災の直後、いち早くアメリカでボランティア活動に乗り出して義援金を集めたり、来日時にも積極的に被災者救済のための活動に奉仕したりする姿を見て感激し、思わず彼女のDVDを買ってしまいました。すると曲も結構いい曲があるんですね(笑) 

因みに、私は被災地に海外からのボランティアたちが言葉が通じなくて立ち往生しているというニュースを知り、現地で通訳をしようと申し出ましたが、私自身が癌の経過観察中の身という訳のわからないお役所の理由で断られました。そういう理由も含め言葉が通じないため、折角ボランティアとして来日した多くの外国から来た専門家たちが、日本のお役所事情で何もすることが出来ずに帰国せざるを得なかった報道は日本ではあまりなされませんでした。

ボランティアという言葉が日本社会で一般的に使われるようになってから久しいですが、小さいころからカトリック教会でボランティア活動を見てきた私には、本当のボランティア活動の奉仕の原点はキリストの教えが背景にあり、日本のボランティア活動はどちらかというとパフォーマンス的な活動に見えます。

特に日本人の著名人が行うボランティア活動は今回のレディーガガやブラッド・ピット達のものとは全く異なったものに見えます。 世界の被災地にいち早く日本人の著名人が自主的に乗り込み、現地人の心の傷を癒した例などは少なくとも私は聞いたことがありません。

私は亡母が敬虔なカトリック教徒であったため幼児洗礼を受けましたが聖書も表面的には何回か読んだことはありますが、真面目に読んだことのないインチキクリスチャンを絵に描いたような人間でした。

しかし、2008年8月に中咽頭癌が左首リンパ節に転移したレベル4の進行癌が発見され、結果的に3か月の間に癌の三大治療を全て受け、しかも発見された段階が手遅れに近かったので2年以内に転移再発する確率が80%以上で、3回目の正月を迎えられることは微妙と言われました。

その闘病生活の中で聖書を読み直してみると、ふと今まで全く目にも留まらなかった個所に目が留りました。

それはマタイの福音書の23章の11節でした。

『そこで、あなたがたのうちでいちばん偉い者は、仕える人でなければならない。』


聖書のイエスの教えは基本的に起承転結で説明がされていませんので、何故そうしなければならない、そうすればどうなるなどという説明は一切ありませんが、私は自分で次のように解釈しました。

偉い人という意味は別に社会的に偉い者という意味ではなくあることを成し遂げる人という意味で、当時、自分が病気を克服出来たら、同じような病気もしくは大病で希望を失っている人達の為に自分の体験談を世に広めて役立ててもらいたいと真剣に考えていましたから、結果的には自分が人に仕えれば、それは自分の幸せに繋がるんだと理解しました。

自分の為に何かをやるというのではなく、人の為に行ったことが結果的に自分の幸せに繋がる。恐らくレディーガガもブラッド・ピットのボランティア精神もこの様な背景から生まれてきているのだと思います。

キリストの教えは基本的に博愛と平和の教えです。

「人に仕える人でなければならない。」

この一節は私が心の平和を取り戻すための一つの大きなキーワードとなりました。

現在、多い時は一日に100件を超える悩みのお便りを頂いていますが、私の体験談をご説明することによりその方々の少しでもお役に立てるならこれほど嬉しいことは無いと思っています。

この様に思えることが本当の意味での心の平和なのではないでしょうか?

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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