SF映画?

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写真の看護婦さんの姿を見て何をご想像されますか?

もし私が当事者ではなかったら、SF映画で人類が遭遇したことのない新たな細菌が人類を襲い、感染した人が厳重警戒の部屋に監禁され、その患者の部屋にはいるために完全防備した看護婦さんの姿か何かに見えます。

実はこの看護婦さんの姿は、化学療法の抗癌剤の点滴を開始する時と終了する時にする格好なのです。抗癌剤の点滴自体は半日程度ですが、前日は受け入れ準備のための点滴を一日行い、終了後は体内の抗癌剤を洗い流すための点滴が一日行われます。

他の薬の点滴を行う時は、看護婦さんも普通の格好なのですが、抗癌剤の点滴の取り付けと取り外しの時だけはこれだけの厳重な防備体制で臨みます。完全防備服を身に着け、キャップを被り、ゴム手袋をはめて透明のゴーグルまでかけています。

その理由は、もし抗癌剤の液が肌にでも触れたら 被曝して 皮膚に大きな障害が残る可能性があるからなのです。

患者はこの抗癌剤を直接血管の中に注入する分けですが、そのための点滴用の針を血管に挿入するときは、医師も普段の時よりかなりの気を使います。なぜならもし抗癌剤が漏れて出てきたらやはり患者も被曝するからです。

写真は、抗癌剤の点滴が終わって夜中の0時半ごろに看護婦さんが抗癌剤の点滴袋を取り外しに来た時の姿です。

この看護婦さんは20代前半の看護婦さんですが、同世代の女の子たちがともすれば夜の街で遊んでいる時間に、人命の為に全くミスが許されない作業を真剣そのものに行っている姿を見ると思わず心からの感謝の気持ちが湧いてきます。

そして抗癌剤の点滴を取り除き、普通の薬の点滴を取り付け終わったら通常の笑顔に戻り、

「都倉さんゆっくりお休みくださいね」

の一言。

病院の評価は単にマスメディアで騒がれるゴッドハンドなどと言われる医師がいるかいないかで決まるのではなく、このような地道かつ重大な仕事のフォローアップを、患者をいたわりながら使命を果たす看護婦さんを始めとするサポーティングスタッフの力の総合力も含めて決まるのです。

私の入院している総合病院は将来地域における日本を代表する病院を目指し改革を進めています。

改革は道半ばで必ずしも全てが上手くいっているわけではありません。私が入院している医局は部長を筆頭に医師、看護スタッフ他が一丸となって病院をより良くしていこうという姿勢が明確に感じられますが、やはり同じ病院内でも 日本の村社会の弊害である 医局間の連携などに問題が見られる面も多々あります。 

しかし、私はこのような自分の使命を十分に理解して働く若い情熱と力が結集すれば必ず医局間のコミュニケーションもスムーズになり 村社会の壁を破ることができ 日本を代表する総合病院になることが出来ると確信しています。

因みに、私の入院している病院は、現在医療安全推進週刊のキャンペーンを行っています。各医局、病棟のスタッフからいろいろな意見が 川柳スタイルで 発表されていました。

印象に残ったのをいくつかご紹介します。

*聞く勇気、聞ける勇気、事故防止。
*分かるまで、聞こう・話そう・伝えよう。
*言ったけど、伝わらなければ独り言。

因みに、私が入院している病棟のは

*つなげよう 心と心 声にして。

という、日々実践しようとしている目標を明確に宣言している素晴らしい川柳でした。





都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 日記 タグ: パーマリンク

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