良い病院の条件

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私が3年間の癌との闘病生活をしたことが 月刊誌『生き生き』で紹介されてから、癌治療に関してどこの病院が良いのかという質問を以前より多く受けるようになりました。

中には、いろいろな資料を送ってきて各病院の医局の治療成績などを参考にすべきかどうかなどという質問も受けます。

質問があまりにも多岐に亘り、一つ一つ答えるのは難しいので、私の考える良い病院の目安を書きますのでご参考にして下さい。これはすべての病気に関して言えますが、癌のように医局間の連携が密にとられなければいけない病気には特に重要です。

*医局間の連携がスムーズにとれている病院。

*総合的なチーム医療が行われている病院。

*医師と看護スタッフの意思の疎通が図られている病院。

*患者とのコミュニケーションを重視している病院。

上記4点は特に重要で、これが欠けている病院ですと患者はとても苦労する羽目になりかねませんので十分に注意されたらよいとアドバイス致します。

先ず、一番目の医局間の連携がスムーズにとれているかということと二番目の総合的なチーム医療が行われているかどうかですが、基本的に日本の総合病院の各専門医局はとても優秀な医師が揃っているところが多いです。それ故、私は個人的に余程特殊な難しい手術や治療でない限り、テレビなどで報道される ゴッド・ハンドの持ち主の医師 がその病院にいるかどうかは最重要問題ではないと思います。無論、医師の治療技術の高さはとても重要なことですが、日本の大病院の専門医は総じてとてもレベルは高いと思います。

しかし、それはその医局の中の話で、一歩ほかの医局も関連してくるとそのコミュニケーションの不味さは目を覆いたくなるケースが多々あります。単純な一医局で解決できる病気ならいざ知らず、癌の様に様々な医局が関与して協力し合って治療しなければならない病気に対しては、現在の日本の医療体制は全く対応できていません。

複数の医局が関与して治療を行うのに、患者のデータはオンライン上のパソコンデータで共有しているだけで医師同士が顔を合わせたことがないなどというのはごく普通なのです。

これに関しては、現在手術のために左腕が不自由なためお休みさせて頂いておりますが、毎週水曜日に連載しています 癌との闘い で詳しく述べたいと思っています。

三番目の医師と看護スタッフの意思の疎通が図られているかどうかという問題も入院期間中最重要事項と言っても過言じゃありません。手術や大きな治療が終わったら入院中の患者の一番密接な窓口は看護スタッフになります。医師と看護スタッフや看護スタッフ間のコミュニケーションミスによるトラブルは結構多く、小さいことを入れればほぼ毎日どこかで患者からクレームが出ている姿を目にします。過日のブログにも書きましたが看護スタッフが充実していると患者の入院生は快適とは言いませんが、苦痛が大幅に軽減されることは間違いありません。

最後の患者とのコミュニケーションを重視している病院かどうかということですが、私は何と言ってもこの部分が治療を受ける病院を決めるうえで最重要事項だと確信します。何もその病院で最終的な治療を受ける必要はありませんが、主治医と信頼関係を構築して密接な話し合いが出来れば、自分の納得のいく病院の紹介を受けたり治療が受けられるケースが増えると思います。

非常に残念なことは、私に相談して来られる方で、自分の受けた治療が不適切なものだったのではないかという強い疑心暗鬼に陥っている方が非常に多いことです。

しかし、それには患者側の責任もあると思います。多くの人は後から後悔の念を述べますが、癌の告知を受けた時は、寧ろ現実から逃避して自分の病状をしっかり把握することもなく、いろいろな治療の可能性を調査することもなくあなた任せで治療を受けてしまっている人たちが多いのです。

最終的には自分の選んだ病院、医師に任せるにしても、自分で自分の身体に何が起こっているかを限りなく自分で把握しない限り、本当の意味での納得した治療は受けられません。

一般社会生活の中でもいやなことから現実逃避したがるのは人間の持ち合わせている傾向ですが、多くの人にとっては癌の告知は 死の宣告 に等しい面があるのだと思います。

しかし、そこで現実を直視するか逃げるかでその後の経過は大きく変わることがあります。

現実に立ち向かう勇気。これが癌との闘いに勝利する最大の武器です。

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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