粗塩

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入院していた時のことでした。

病院は電話を掛けられる場所が決まっているため、点滴などをしているときは点滴袋が掛かっているローラーのついたポールごと転がしながら移動しなければならないので、結構大変なのです。
特に今回の入院は予定外でしたのでスケジュールがいろいろ詰まっていたため、一日10回近く電話がかけられる場所に移動したときもありました。手術後、暫く激痛が走っていた時は特に大変でした。

ある夜、電話が終わった帰りに普段行かない電話を掛けられる場所のそばのトイレに寄ったらお年寄りが右の人差し指に何やら白い粉みたいなものを付けて、それで歯を磨いているように見えたので、思わず一瞬見てしまいました。

お年寄りは私の様子を見てすかさず、

「お兄さん。何してるか分かる?」

と聞いて来ました。

外の世界では、なかなかお兄さんと呼ばれる機会は少なくなってきましたが、入院患者の中ではまだ若手の部類なのでしょうね(笑)

それはさておき、お年寄りの質問に

「何かのお薬ですか?」

と聞き返しましたら、

「否。粗塩じゃ。わしゃ今年89歳になったが歯ブラシと歯磨き粉は使ったことはない!歯と歯茎の手入れは粗塩に限る。」

そして

「お兄さんも試してみなさい!」

と言われました。

病院で知らない人から言われた白い粉を口に入れる(笑)ことに関して何ら抵抗もなく、

「お願いします!」

と言って右の人差し指の上人関節分ぐらい粗塩を付けて、ご指導に従い歯と歯茎の手入れをしました。

手入れが終わって口をすすぐと普段の歯磨きの時より歯茎が引き締まった感じがしましたので、お礼をいうとお年寄りは喜んで粗塩を分けて下さいました。

もうなくなってしまいましたが、入院中は普通に歯磨きをした後に粗塩で仕上げをしていました(笑)

思いもよらない偶然がきっかけで新たなことを知ったことは過去にもたびたびありますが、今度買い物に行ったら、教えて下さったお年寄りのことを思い出しながら粗塩を買ってみようと思います。

「国産物でなければだめです」

というその方の注意事項も守って(笑)






都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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粗塩 への2件のフィードバック

  1. 大石内蔵助 のコメント:
    そうなんですよ、それに虫刺され、例えば蚊に食われたときなんぞ塩水が一番よろしい。かゆみが一番とれる。塩をバカにするでない!もう一度人間と塩の関係を見直してもいいかもね。ポカリだって要は塩分補完でしょ。
    それも播州赤穂の塩が一番。
    「おのおの方、よろしゅうござるな、今宵吉良殿の首を、、、、」
    それと関係おへん。お互い冗談バッカリ。
    • 都倉 亮 のコメント:
      健康的な食生活でも今まで塩分は悪者扱いだったけど近来見直されています。積極的に塩分を増やすことを奨励する学者も出てきています。

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