現代日本の医療体制

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最近良くご自身が癌になられた人やご家族、親類の人が癌になったからから相談を受けます。

私は、自分の癌との闘病を通じてかなりの専門書を含めた書籍、論文などを独学で学びましたのである程度の理解度は増しましたが、医学に関しましてはあくまでも素人であり、相談に対しても医学的なアドバイスは無論出来ません。

私に相談を持ちかけてくる人達も決して私に医学的な意見を求めてくる訳では有りません。 無論、中には病院に対するアドバイスなどを求めてくる人もいますが、殆どの人達は今時分が受けている治療に対する不安感や胸の内を私に聞いて貰いたくて話すのです。

癌と言う病気はとても複雑な病気です。

身体のある部位に癌が発症したら単純にそこの部分だけを治療したら良いというケースは極めて稀で、多くの場合は周辺の部位や身体全体に癌の広がりが及ばないような細心の注意を払った治療が施される必要があります。

先だってスウェーデン人の知人の奥さんから連絡があり乳癌の手術を受けた話を聞きました。

30分ぐらいに亘り自分が辿ってきた治療方法を話してくれましたが、日本とは全く違う取り組み方だとつくづく思いました。

先ず、身体全体の癌のことが分かる 腫瘍内科の医師と乳癌の専門医と心のケアをする精神科医がチームを結成して治療にあたると言うのです。

これは当然と言えば当然のことのように思われるかも知れませんが、日本の場合は事情が全く異なります。

私の場合原発巣(癌が発症した場所)が中咽頭だったので主治医は耳鼻咽喉科の医師でした。とても素晴らしい主治医に恵まれましたが、身体のいろいろな部位に転移が疑われだしてからは自分の専門分野ではないので、院内でその部位の専門医局を紹介されますが、そこから先はその部位の専門医に任されます。

つまり、疑わしい部位の専門医が自分の専門の部位だけの診察をして身体全体を一つとして診る医局が無いのです。

ですから、疑わしい部位が出てくれば出てくるほど患者側の立場で言えばどこか自分の身体全体のことを理解してくれているのか分からない状態になるのです。

身体の方もパーツ毎診療ですが、心のケアも連動しているとは言えません。

癌患者の多くは精神的にも不安定になり欝状態に陥っている場合が多いのですが、身体と心を一つとして考えて治療していくと言う方法はとられません。

私の場合はたまたま20年来家族ぐるみの付き合いをしている診療内科医の知人がいましたので、個人的に心のケアをして貰いましたが、病院側の診療体制に心のケアは組入れられていませんでした。

前出のスウェーデン人の友人が

『リョウ。私の場合全体の癌の事が分かる腫瘍内科医と胸部の専門医と精神科医がチームを組んでフォローアップしてくれたのでとても助かり精神的な負担も軽減された』

と言っていましたが、日本も当たり前のことが当たり前になされる医療体制が強く望まれます。






都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 健康 タグ: パーマリンク

現代日本の医療体制 への2件のフィードバック

  1. 周平 のコメント:
    アスレチックトレーナーとしての観点ですと、アメリカでは必ず手術を施した医師とリハビリの経過具合を報告する連絡を取り合います。毎回患者さんが来るたびにフォローアップノートを作り主治医へ報告します。
    医師同士のチームワークではありませんが、医師と患者の間に入る我々アスレチックトレーナー、3者のコミュニケーションがしっかりととれていると思いました。

    一度、何かの本で「特定された部分を治せる人は一流の医者、ですけど体全体をみながら特定の部分を治す人は超一流」と拝読しました。

    日本では開業、昇進、というものが一種のゴールになっているような気がします。(中にはそうでない人たちもいると思います)

    ですけど、ブログで登場されたスウェーデン人女性のお話の通り、患者さんが精神的に安心になるということも一つのいい意味で良い医療制度というふうに考えなければいけないのかもしれませんね

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