有り難う

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最後だと分かっていたなら

ノーマ コーネット マレックの詩集の題名です。

2001年9月11日の米国の同時多発テロの後多くの人達に読まれ、日本でも東に本題震災の後口コミで多くの人に読まれ出して、現在書店で特設コーナーが設けられているところが多いと聞きます。

もし、明日が来ないとしたら、わたしは今日、どんなにあなたを愛しているか伝えたい。

という一節があります。

とても美しく心に染み入る誌が沢山綴られていて、多くの悲しみに打ちひしがれた人々の心を癒す内容の詩集です。

私の場合、特にこの誌の内容は胸に迫るものがありました。

2008年8月に中咽頭癌が左首リンパ節に転移したレベル4の進行癌が発見され、2ヶ月間の入院で放射線・抗癌剤の併用治療を受けました。とても辛い治療で、口の中と喉が焼けただれ味覚も全て失いました。

しかし、辛い治療に耐えたお陰で中咽頭癌も左首リンパ節に転移した癌も消失したということで11月の中旬に退院できました。

ところが、最初の経過観察で左首リンパ節に怪しい細胞があることが発見されました。

精密検査の結果、微量の癌細胞が発見され、手術で左首リンパ節を全部摘出することになったのです。

『過酷な放射線・抗癌剤の併用治療が終わって双方の癌が消失したということで無事退院したばかりなのに、何故!?』

茫然自失する以外にありませんでした。

いよいよ手術の日の朝、ストレッチャーで手術室に向かうなかで

『これが最後とわかっていたなら』

ではありませんでしたが

『もしこれが最後なら』

という思いは頭の中で一杯でした。

そして、手術室にストレッチャーが入る前に付き添いでいてくれた家内に一言

『有り難う』

という言葉をかけて手術室に入っていったのを覚えています。

身勝手な言い分ですが、この

『有り難う』

という短い言葉の中に今までの全てにおける感謝の言葉が凝縮されていた様に思います。

手術も成功して向かえることが微妙だといわれた3回目の正月も今年の一月一日に無事迎えることが出来ました。

それ以来、私にはこの 『有り難う』 という言葉の意味が自分の中で特別なものとなりました。

毎日笑顔で 『有り難う』 と言える日々に心から感謝です。

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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