
被災直後も人々が取り乱すことなく列に並んで食料や飲料水などを順番に受け取る姿は国外にも大々的に報道され、世界中の人々の感動を呼び、私のところにも数多くの『日本人の礼儀正しさ』や『秩序ある行動を重んじる姿』を賞賛するメッセージが送られて来ました。
私も希望を失った方々の支えに少しでも慣れればと思い微力を尽くしておりますが、今後とも最も大切で 最後の絆である希望を 保ち続けて頂けるように活動して参りたいと思います。
しかし、一方日本人はこと日常的なことになると非常に便利さと快適さをトコトンまで追求する国民だと思います。
世界基準で言えば、出荷した翌日に殆どの地域に荷物が届くということだけでも驚異的に映る宅配便なども、更にそれに加えて時間指定まで出来るとなると、これはもはやまねの出来る国はそうは無いと思います。
国土の狭さ、交通網の発達、運送会社間の連係プレー、そして何よりもそれに関わっている人達の使命感の強さが有って初めてなされる業だと思いますが、我々日本人がもはや当たり前だと思っているこういったサービスも、日本に住む外国人には
『ジャパニーズ・ミラクル(日本の奇跡)』
と映るようです(笑)
更に、スーパーやコンビニで数人の列が出来ると直ぐ隣のレジを開けて対応するサービス精神は正に日本ならではのサービスだと思います。
こういったサービスが当たり前だと思っている日本人には、海外での接客業のサービスの遅さに驚くケースは日常茶飯事です。
私の会社からスウェーデンに駐在員を派遣していたときに、スーパーで買い物をした際レジの列で30分ぐらい待って漸く自分の前の人の番になったときに、レジの係りの人が
『自分の時間は終了したので、隣のレジに並んでください』
と言ってレジを閉鎖したのに対して、文句ひとつ言わず黙って隣のレジに並びに行った姿を見て、自分も怒るに怒れなかったと報告を受けたのを覚えています。
お客様の快適さ、お客様に不便な思いをさせないサービス精神にかけては、日本は世界一といっても過言では無いと思います。
一方、その日本で一向に改善されない 待ち時間の長さ があります。
その代表的なものが、皆さんもご経験なさったことがあると思いますが、病院の待ち時間でしょう。
先日も定期検査の結果を聞きに朝の10時の予約で病院に行きました。私は大体10分前には行くようにしていますが、何と当日は私の予約番号が呼ばれたのが11時半でした。
過日観た映画の 神様のカルテ で病院の廊下で大勢の患者が診察待ちをしているシーンを思い出しましたが、予約時間が有ってもこうですから予約の無いクリニックなどは本当にいつ自分の番が来るか分からず、その後の予定が入れられずに困ります。
私の場合は、癌の三大治療を受けた後も毎月のように転移が疑われ、その度に治療、手術を受けた総合病院で疑わしい部位の専門医局で精密検査を受けました。
しかし、転移が無いことが確認されると総合病院での診察は打ち切られ、提携クリニックにフォローアップするようにの紹介状が書かれます。
クリニックの中には開院時刻に行ったら既に2-3時間待ちで、開院前に病院の玄関前で行列を作っているようなクリニックもあり、私のように多いときは7-8件のクリニックでフォローアップ診察を受けていた人間にとっては本当に大変な思いでした。
日本の現代の医療制度の問題に関しては、私のブログの大きなテーマのひとつですので今後とも度々取り上げていきますが、 大病院と町のクリニックが共存していくための制度 が制度のための制度になっている部分が否めないところがあります。
この辺に関してもいろいろ言及して行きたいと思います。