最大の財産

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私は日々 笑顔 をとても大切にしています。

これは、幼少の頃の親の教育もあったと思いますが、ドイツのアメリカンスクールに通学していた頃の担任の先生から言われたことがきっかけでした。

それまではどちらかというと私は恥かしがり屋だったのですが、担任の先生に

『君たちの持っているもので一番の財産はなんだか知っているかい?それは笑顔だよ。』『今後、君たちの長い人生の中で 笑顔は ほかのどんな手段でもはなしえない無数の友を作ってくれるよ』

と言われたことが、それ以降の私の人生の中で 笑顔というものが 重要な位置づけとなるきっかけでした。三つ子の魂でしょうか?(笑)

先ず相手と会ったら相手の目を見てニコッと微笑んで挨拶をする。

たったこれだけのことですが、これによって海外で多くの友人を作ってきました。

ところが、14歳で日本に帰国して高校受験のために新学校の中学に入りましたが、同じ様に挨拶をするとどうも勝手が違うのです。

往々にして相手は目をそらし、中にはムッとしたような顔をするような生徒もいました。これが日本人独特の一種の ハニカミ だということを理解するまでのかなりの時間を有しました。かつての私自身が ハニカミ屋 だったのですが、 喉元過ぎれば熱さを忘れる の典型ですね(笑)

三井物産に入社した後も、取引先で打ち合わせをする時に私は長年の習慣から相手の目を見ながら話していましたが、ある時打ち合わせに同席した上司から

『都倉君。私も長い間海外駐在を経験したので、君の相手の目を見ながら話すことはとても良いことだと思うが、普通の日本人は目を見ながら話すことに慣れていないから、目を直接見ないで 相手の顔を漠然と見ながら 話すようにしたほうが良いよ』

と言われました。

当時の私には 相手の顔を漠然と見ながらというのは意味不明(笑) のアドバイスでしたが、年月を経るに連れ当時の上司の言いたかったことが良く分かりました。


2008年8月に中咽頭癌が左首リンパ節に転移したレベル4の進行癌が発見され、その後 放射線/抗癌剤の併用治療、手術を受け 私の顔から笑顔が消えました。

昨年の夏はベッドから起きられない日々も多かったのですが、どうしても避けられない打ち合わせには歯を食いしばって行きました。

しかし、外出前に鏡の前で10分ぐらい 笑顔を作る練習 をしなければなりませんでした。顔がこわばって引きつるからです。

人と会っているときはそれなりに普通に振舞いましたが、打ち合わせが終わり一人になると疲れがドッと出て、最寄の喫茶店で30分ぐらい時間を潰さなければならない程でした。

今年の初めにテレビを見ていて面白い場面で声を出して笑ったら、家内が

『貴方の笑い声を聞いたのは一年半ぶり』

と言われ寒くなりました(笑)

今年になってからは自然に笑顔が出る生活に戻ることが出来、この間も親しい外国人夫妻と会ったときに

“We are happy to have your friendly smile back!(貴方の親しみを込めた笑顔が戻ってくれて嬉しい)”

と言われました。

何と言っても笑顔は最大の財産です(笑)

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 国際交流 タグ: パーマリンク

最大の財産 への2件のフィードバック

  1. Rumiko Hughes のコメント:
    普段あまり認識しない「笑顔」で、自然にでるものと思っていた部分もあって、、、。生活習慣、商習慣での笑顔の取り扱われ方も本当に違いますよね。日本もアメリカも笑顔のあるところに、人が集まり、会話も広がるので、私も少し意識していこうと思います。最近、笑いすぎてほっぺたが引きつる事もなくなったので、、、。
  2. 都倉 亮 のコメント:
    笑いすぎてほっぺたが引きつるのは贅沢です(^^) 私の場合は、笑おうと思っても顔がこわばって引きつる感じでした。

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