経過観察と保護観察

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過日三井物産時代の先輩が仲間内で集まる会合に私のことも呼んでくれました。

紹介者以外は皆さん初対面の方々で、最初に私のことを皆に紹介してくださるのに私のことを、

『三井物産時代の後輩の都倉くんです。都倉くんは大変な体験をして、現在保護観察中の身です』

と紹介されました。

私の回りにいた数人の方の表情が一瞬変わりました(笑)

私は直ぐに

『保護観察中ではなく、経過観察中です』

とフォローしたら一同大爆笑でした(笑)

同じ観察でも保護観察とは 刑事政策における一施策で、犯罪者を処遇するにあたり、刑務所などの刑事施設や少年院で処遇を行う「施設内処遇」に対比して、「社会内処遇」と呼ばれる制度のことなのです。一言で言えば、犯罪者を刑務所などで隔離することなく社会生活の中で更生させる制度なのです(笑)

一方、一般的に言われている経過観察とは 大きな病気の治療を行ったあと、定期的に検診を受け病状の具合を調べ、悪くなっていれば精密検査や更なる治療を行う制度 のことです。

因みに癌の場合は 経過観察期間は5年と決められていますので、 私の場合は後二年間の経過観察期間が残っています。

昨年までは毎月経過観察があり、二年間に亘りほぼ毎月身体の他の部位に癌の転移が疑われ、そのたびにその専門医局で精密検査を受けました。

癌の転移が無いと判明すると、私の治療、手術を受けた総合病院での診察は終了し病院が提携しているクリニックにフォローアップが委ねられます。

例えば、肺に異変を感じて循環器内科で精密検査を受けた結果肺への転移が無いと判明すると、肺の異変の原因究明はされないまま  提携クリニックを紹介されそこでフォローアップの検診を受けることになるのです。

紹介されたクリニックの医師は 最初から癌の転移は無い という前提で診察をするので、こちらが更に不安を訴えても 総合病院から癌の転移は無いという所見を受けている という決まり文句で身体症状と癌の関連性を否定した診察をするのです。

こちらが更に精密検査をもう一度して貰えないかと頼んでも、 

『それならもう一度総合病院でして貰ってください』

と取り合ってくれないケースが殆どでした。

以前にもブログで述べましたが、 大病院は手術や高度治療が必要とする患者を診て、そうでない場合はクリニックがフォローするという原稿医療制度は、単純な病気や怪我の場合は大病院とクリニックが共存していく上で効率の良い制度だと思います。

しかし、癌のように複雑怪奇で 身体のどこに新たな病気が見つかるか分からないような病気の場合は この制度は極めて患者にとって不都合且つ精神衛生に悪い制度になります。

私が二年半に亘り闘病生活を送ってきた中で非常に強く感じたことは、現代の日本の医療制度は 患者本位ではなく治療する側にとって都合の良い 制度なのです。 

医師や医療関係者が大病をしたら、現行制度は決して患者の立場を重んじた制度ではない ことが良く分かるでしょう。

但し、医療関係者の声が高まるまで待っていることは出来ません。 大病に打ち克って健康を取り戻した人間として 声を大にして訴えてかねばならない と思っています。

 

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
カテゴリー: 健康 タグ: パーマリンク

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