真実を知ること

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私には娘と息子がいますが、二人がまだ幼かった頃、命の大切さ を教えるために 二匹のミドリカメ を買いました。

正式には ミシシッピーアカミミガメ といいますが、中途半端な知識で飼い始めた結果、ある日旅行から帰宅したら死んでいました。


子供たちは嘆き悲しみ、特に息子はカメのお墓に手紙を一緒に埋めました。その手紙には

『いつか僕が天国に行ったら一緒に遊ぼうね』

と記されていました。

私は生半可な知識で生き物を飼った反省と、子供たちにもう一度命を大切さを知ってもらうために再度 カメの飼育に チャレンジすることにしました。

しかし、今回は絶対に失敗しないように当時有名だった熱帯魚専門店に毎週末行って 店員に飼育に関するありとあらゆることを聞いて 勉強しました。

馴染みになった店員から 

『カメの飼い方で都倉さんぐらい熱心にいろいろ質問する人は今まで見た事がない』と言われたほどです(笑)

そのうちに私の話が ある爬虫類学者の耳に入り 取材の申し込みがありました(笑)

丁度買い始めて5年ぐらいしたころでしょうか?

そのころは二匹とも体調20cmぐらいに成長し、水槽も最初の30cmの水槽から60cm、90cmと買い換えていきましたが、それでも小さくなったので120cmの水槽を買ったばかりの頃でした。カメが甲羅干しするための石も川原に取りに行くほど徹底していました。

二匹の面倒も、命の大切さを教えるはずだった子供たちよりも私が熱心にみていました(^^)

毎朝私が餌を上げようと近づくと、最近撮った上の写真のように バタバタと 手足を動かし私に寄って来るのです。

ある日、爬虫類学者が自宅まで来ていろいろ取材をして ミドリガメ、ゼニガメの医・食・住 という本に取材記事を掲載してくれました。

取材のときに私が

『先生。二匹のカメは私になついて私が餌をあげようとすると喜んで手足をバタバタして近づいて来るんですよ』

と、嬉しそうに言ったら、

『それは違います。カメは人間を認知する能力が無いので、光の関係で何かが近づいて来たことを感知して 条件反射で 手足をばたつかせているだけです』

と。 夢がしぼみ毎朝の楽しみが半減しました(笑)

2008年8月に中咽頭癌が左首リンパ節に転移したレベル4の進行癌が見つかり 放射線・抗癌剤の併用治療、手術と癌の三大治療を全て受けました。

しかし、発見された段階が非常に遅かったので、 二年以内に転移再発する確率が80%以上、三回目の正月を迎えることは難しい との所見でした。

医師の所見は 私の 『身辺整理をしなければならないので教えて欲しい』 という強い要望によって述べられたもので、 その時の客観状況からして正しい所見だったと確信しています。

しかし、その後の二年以上に及ぶ闘病生活の中で毎月転移が疑われた時期もあり心身共疲弊しきり、 『真実を知ること』 が正しい選択だったのかどうか何度も自問自答しました。


天命によって二年以内に転移再発も無く三回目の正月も今年の一月に無事向かえられ、今では元気を回復して日々精力的に活動しています。

結果的に医師の所見は 間違っていましたが、 今回の闘病生活を経て大自然の大きな力の下では 人間の力など無に等しい ということを実感することが出来ました。

真実を知り、出来る限りの努力をしたら、結果に関しては天命を待つ以外にないのです。

正に 人事を尽くして天命を待つ ということです。

しかし、二匹のカメの件に関しては、真実を知らずに、二匹のカメが私になついていると思い続けていたほうが幸せだったかも知れません(笑)



都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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真実を知ること への2件のフィードバック

  1. あぷちー のコメント:
    先ほどコメントをさせていただいてから、ずっとブログを拝見させていただいています。

    一言、申し上げずにはいられません!
    うちにもカメがいました。
    私が小学生の頃に突然、庭にあらわれてそのまま池に住みつき、大学を卒業した2、3年後まで生きていました。
    途中、庭のないマンションに越したのですが、母が面倒をみて毎年冬眠し、5月頃には冬眠からさめるのが常でした。
    しかし54歳で母が2月亡くなった年、カメも冬眠から冷めることはありませんでした。

    そしてその後、私の昔のボーイフレンドがやはりカメを飼っていて、出張中は私が預かったりもしましたし、その後、私自身もミドリガメを買ったりという経験があります。

    前置きが長くなって申し訳ありません。
    そこでです、爬虫類学者のご意見は、申しわけありませんが絶対に違うと思います。
    長くなってしまうので書きませんが、カメは人間を認識しています。
    実は最後に買ったミドリガメは、私が死に追いやってしまいました。
    しかし、その子は最後に右の前脚で水槽の木につかまって落ちそうになりながら左の前脚を私の方にのばして,私の手の上に乗りたいというポーズのまま、息絶えました。
    短く書いてしまうと、私が思い込んでいるだけのように思われるかもしれませんが、そうではありませんでした。
    私はその後、本当に何ヵ月も泣き暮らしました。
    今でも、これを書きながら涙が出てきます。
    人間を認識していないなどということは、絶対にあり得ません。
    現在、それに関して学者がどのようにとらえているかは分かりませんが、人間が現時点で分かっていることが100パーセント真実ではないということはいうまでもないことでしょう。
    と、思わず生意気なことも申してしまいました。
    お許しくださいませ。
    このコメントのお返事のご心配はなさいませんように。。。

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