セカンド・オピニオン

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昨今日本では セカンド・オピニオン という言葉が一般的に使われる様になりました。

もともとは 代替意見 という意味で、私がドイツのアメリカンスクールに通学していた頃、よく先生が講義の終了前に

”Is there any second opinion?(セカンドオピニオンはありませんか?)”

詰まり、

『他の意見はないですか?』

と生徒に聞いていたのを思い出します。

日本では、セカンド・オピニオン という言葉は医療の現場や医療関連で使われている場合が殆どだと思いますが、意味するところは

よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求めた 意見 または 意見を求める行為 

という意味で使われています。

殆どの病院でも患者に セカンド・オピニオン を求める事を表向きには奨励しています。

深刻な病気の診断を受けた時に、治療法などに関して別の病院で意見を聞き、患者が治療法を選択する際の参考にするための制度で、患者が病院や治療法を自分の意思で選択するためには良い制度だと思います。

しかし、セカンド・オピニオンは患者の立場として、どんなときにでも聞けるでしょうか?

理論的には聞けます。

しかし、実際問題となるとなかなか簡単には聞けない場合があるのです。

私の場合、発見された段階で 中咽頭癌が左首リンパ節に転移したレベル4の進行癌 でした。

治療法もいきなり手術をすると手術の範囲が広いので 身体機能の最低50%は失う と言われました。

他の選択肢としての治療法は 放射線と抗がん剤の併用治療 と言われました。

私は無条件で放射線と抗がん剤の併用治療を選択しましたが、この話をすると多くの人達の関心ごとは、私がセカンド・オピニオンを求めた上で判断したかどうか ということでした。

『求めませんでした。』

と答えると皆

『なぜ?』

と聞き、これ程の思い病気で生死をかける治療を一つの病院の医師の診断に基づいて決定したことに驚きます。

しかし、私に言わせると、その類いの質問は深刻な病気をしたことのない人達の質問なのです。

机上の論理ですと、当然のことながら、複数の病院で意見を聞き判断するのが良いに決まってます。

実際問題として、癌の発見が早かったりレベルも低い段階だったら セカンド・オピニオン、サード・オピニオン を聞いて時間をかけて判断するのが良いでしょう。

しかし、私の場合は発見が遅く、発見された段階でレベル4ね進行癌でした。

今すぐに手を打たねば残された時間は少ない。

こういう状況下である治療法に関する説明を医師から受けます。

皆さんはこの様な状況で平然と

『分りました先生。他の病院にセカンド・オピニオンを求めてから決定します。』

と言えるでしょうか?

私は言えませんでした。

そうじゃなくても 青天の霹靂 で 中咽頭癌が左首リンパ節に転移しているレベル4の進行癌 ということと、数少ない治療方法を告げられたのです。

仮に他の病院で他の医師の意見を聞けたとしても、その医師の勧める治療法が違うものだったらどうでしょう?

混乱は増すばかりで、判断が付かなくなると思います。

私は主治医に 放射線/抗癌剤の治療方法や実績 などについて詳細な説明を受けたあと、その場で 放射線/抗癌剤の併用治療を受けること を即断しました。

結果的に私はこうやって 天から生 を与えられて新たな活動をしています。 

同じ病気で私よりレベルが低く癌の進行状態も遅かった多くの人がこの間亡くなっています。

その人達の多くは セカンド・オピニオン、サード・オピニオン を求め、自分達で最高の治療法を選んだ と思っていた人達です。

人の考え、力の及ぶところなどは無に等しいと思いました。

自分で決断したら結果に関しては天に委ねる

先人の残した言葉の中で

人事を尽くして天命を待つ

という言葉の持つ意味が、闘病生活を通して おぼろげながら分かった ような気がします。

都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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セカンド・オピニオン への2件のフィードバック

  1. Rumiko Hughes のコメント:
    ガン告知のタイミングが、2ndオピニオンの機会を与えなかったといった感じだったんですね。そういえば、くもまっかの時も、治療に急を要する感じでしたよね。本当に、運がいいですね。
  2. 都倉 亮 のコメント:
    癌の告知をして下さった先生の告知のしかたは衝撃的でした。診察室に入って15秒後には告知されたのですから・・・(笑)

    その後親しくなってから先生に、

    『あの告知のしかたでは気の弱い人間なら 心臓麻痺 で死んでしまいますよ。』

    と笑って話しました。

    その先生は偶然その日に私を診察して下さったのですが、咽頭癌 に関しては日本の最高権威の一人だったのです。

    いろいろな意味において 大きな力 の動きを感じました。

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