癌との闘い-1(癌の告知)

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私は2008年8月に長年住んでいた東京渋谷から神奈川県横浜市に引っ越しました。

まだ荷物の整理がつかないまま、引越し疲れを癒すために電動マッサージ器に横になりながらテレビで北京オリンピックを観ていました。

引っ越したばかりでしたので、マッサージ器がテレビの方ではなく部屋の入り口の方を向いていたために、部屋の左側に設置されていたテレビを首を横に向けながら観ていました。

私が顔を左に向けていていたので、マッサージ器のローラーも私の首の左側をローリングしていました。

すると、マッサージが終わると左首に ポコッ と硬い腫れ物が確認できました。


痛くも何もありませんでしたが、気持ちが悪いので近所のクリニックに行って診察をして貰うと

『無理な体勢でテレビを観ていたので、マッサージ器のローラーが左首を圧迫して、筋肉が内出血を起こしています』 『抗生物質と湿布薬を処方しますので様子を見てください。』

という医師の診断でした。

処方された薬を飲み終わっても腫れが引かないので、再度クリニックを訪れると

『この部位はもともと耳鼻咽喉科の専門分野なので、紹介状を書くのでY病院の耳鼻咽喉科を受診して下さい。』

と言われました。

後日紹介状を持参してY病院の耳鼻咽喉科を受診するために順番が来るのを待っていました。

『都倉さん・・・番にお入り下さい。』

と言われその診療室に入りました。

何人もいる耳鼻咽喉科の医師の中で偶然私を診察して下さった医師に

『近くのクリニックで左首の筋肉の内出血と言われましたが、処方された薬を飲み終えても腫れが引かないので、紹介状を書いて頂き本日お邪魔しました。』

と言うと、医師は怪訝そうな顔をして

『エッ?筋肉の内出血? 口を開けてみて下さい。』

と言って私の口の中を覗き込み、同時に両手で私の左右の首を触診して僅か15秒後に

『これは筋肉の内出血などではありません。非常に高い確率で、中咽頭癌(ちゅういんとうがん)が左首リンパ節に転移しています!』と。

全く意味が分かりませんでした。

医師の言った言葉の中に  という単語が含まれていたこと以外は何も理解できなかったのです。

『先生。今  と仰いましたか? 中なんとか っていうのは何ですか?』

『はい。中咽頭は分かりやすく言えば扁桃です。中咽頭が 原発巣(げんぱつそう) です。』

『原発巣って何ですか?』

『癌が発症した場所です。それが左首のリンパ節に転移している状態で有ることが濃厚です。』

『せ先生。でもそんなのはあくまでも可能性ですよね?』

『はい。でも確率はとても高いです。』

と言うような遣り取りがなされました。

頭の中が真っ白になって言葉を失っていた私に

『今日は金曜日の午後なのでもう精密検査は出来ませんが、月曜日の朝一番から精密検査を行います。詳しい手順は看護師が説明します。』

と言う先生の言葉でした。

看護師から月曜日に行われる検査及び手順に関する説明が有りましたが、検査項目の中には咽、首の周りの詳細な検査に加え一見関係のないと思われる  などのレントゲン、CT検査も含まれていました。

しかし、週末を利用してインターネットでいろいろ検索している内に事態の深刻さが徐々に分かって来たのです。

つづく


私がこの For The Good Time(素晴らしい日に向けて) というブログを書き始めた理由の一つは、私に2回に亘る大病の体験談を通じて、同様の大病で苦しんでおられる患者さん及びご家族、関係者の方々のお力になれればと思ったからです。

今後毎週 水曜日 のブログに私の闘病記録を書きたいと思います。

少しでも皆様方の参考になれば幸いです。











都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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癌との闘い-1(癌の告知) への2件のフィードバック

  1. 大間知 総一郎 のコメント:
    私の父は白血病でしたが、母は大腸癌で僅か61歳でこの世を去りました。昔は癌に対する知識
    も乏しく、子供の頃から病気になった姿は余り見た事はなかったのですが、気付いて医者に行った
    時はステージ3。手術して切除しましたが、肝臓に転移してしまいました。従って私も癌の遺伝子は
    受け継いでいる可能性もあり、大腸内視鏡は2年サイクルで受診しています。医療技術も発達し
    ネットで医学情報も簡単に見れる時代ですが、自分の体は自分で守らないと思っており、毎週のブログをこれからも拝見させて頂きます。
    • 都倉 亮 のコメント:
      来週以降詳しく連載致しますが、私の場合精密検査の結果ステージ4の状態でした。

      治療方法もその段階で手術をすると身体の機能の最低50%を失うと言うことで、放射線/抗癌剤の併用治療を選びました。

      よく人に セコンド・オピニオン は聞いたか? という質問を受けましたが、セコンド・オピニオンなどと言うものは 癌のステージが 早期/初期段階 なら簡単に受けられるでしょうが、癌のステージが進んでいて治療の選択肢が限られていると診断された状態ではなかなか受けられるものでは有りません。

      そういったことも詳しく書いて参ります。

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