世襲制度

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世襲制度とは、親から子へと地位が受け継がれる制度で、日本の場合は 天皇制など法で決められたものもありますが、歌舞伎役者や家元などの伝統芸能の世界や一族経営の企業などで色濃く見られます。

諸外国との細かい比較はした事は有りませんが、日本の土壌にはこの『世襲制度』が受け入れ易いとみえ、諸外国に比べてかなり多いように思えます。



以前は、株式を上場している企業でも、創業者一族が世襲制に近い形で経営トップに君臨していたケースが目立ちました。

私の慶応の同窓生にも企業の創業者一族出身の学生が多く、親や親類が企業トップに就いて、創業時代の番頭達などが経営を支えるという図式が一般的でした。これは、欧米民主主義社会の教育を受けた私にとっては当時、武家社会において世襲で選ばれた殿様を家臣が支える構造と同じに見えました。

さすがに現在の厳しい時代では、上場企業においては株主が創業者一族と言うことだけで、世襲的に経営トップにつく事は難しく、数も以前に比べたら少なくなってきたとは思いますが、まだ欧米諸国に比べると多いと思います。

一方、政治の世界ではどうでしょう?

やはり、欧米民主主義諸国と比較すると圧倒的に世襲議員の数が多いと思われます。

一般の私企業でも株式を公開すれば『公』の企業なので創業者一族と言うことだけで経営トップに就くということは本来許されることでは無いと考えます。
ましてや、国の命運を握る国会議員が政治には素人であるにも関わらず、単に親、親族が国会議員だったということで世襲制に近い形で地盤を受け継ぎ選出されていたのでは、問題は更に深刻です。

小選挙区で選ばれた議員が中央に集まり、国政をつかさどり、年功序列的に要職を占めていく構造はまさに時代に逆行しています。

先日も就任間もない『復興大臣』の被災地の二人の知事との対談模様が放映され、大きな問題として波紋を呼びました。

そして、今日辞任。

聞くところによれば、大臣の祖父、父親は地元に大きな貢献をした議員だったそうです。

その貢献の結果、選挙民が息子を後継者として選ぶという構造は、その仕事が地元に限定されるのならまだ理解出来ますが、国政となると話は全く違います。

日本ほど首相を始めとする閣僚が頻繁に変わる国は先進国、発展途上国の中でも無いと思います。

特に先進国の中でも国力では世界有数で、その発言力も大きい国のトップや閣僚がこれだけ頻繁に変わるのでは、日本の信用と言うものは失墜します。

例えば、企業でもトップが毎年コロコロ変わる会社を我々は信用するでしょうか?

過日ヨーロッパの国の大使館のパーティーで、その国の現役閣僚と話す機会が有りましたが、私に日本の首相の名前を間違えて言いました。

私が丁重に訂正するとバツ悪そうにしていましたが、私は

『いやいや。我々でも前首相、その前の首相は誰?と聞かれても分からない時が有ります』

とフォローしましたが、皆さんは如何ですか?

日本と欧米の民主主義制度の違い関しては別途私見を述べさせて頂きたいと思いますが、少なくとも民主主義国家においては、我々の代表者である議員を選ぶ責任は我々国民にあります。

国の命運を託すことの出来る議院を選ぶのが我々にとって最も重要な責任の一つでは無いでしょうか。

我々国民がもっと問題意識を持たねば国を変える事は出来ません。



都倉 亮 について

1953年生まれ。幼少の頃11年ドイツで過ごし、アメリカンスクールに学ぶ。慶大卒後三井物産に13年勤務。その後会社経営を経て現在執筆を中心に活動。日本の素晴らしい面、世界基準に変えねばならない面を長年の海外生活で培った目で発信して行きたいと思います。
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世襲制度 への2件のフィードバック

  1. 大間知 総一郎 のコメント:
    先日の吉田社長も麻布⇒慶應とお聞きしましたが、私も同じで毎年同窓会が開かれ、参加しています。慶應とは違った意味で、卒業後も結束が固いと長嶋君も言っていました。私が親しくしている、奥湯河原の温泉旅館の社長も世襲といえばそうですが、今日経営は本当に厳しく特に被災後はキャンセル続きで、給料日には胃が痛くなると言っていました。でもNHKで地元の蛍のキャンペーンに出演したりして湯河原をPRしています。私に出来ることは客として行くしかないので、先日も家内と行ってきましたが、自然の中で久しぶりに蛍を見てかなり癒されました。
    • 都倉 亮 のコメント:
      世襲は全てが悪いとは言いませんが、 国政 に携わる人間が 世襲の様な形 で選出されるのは民主主義国家とはいえないと思います。

      私の持論は、日本は欧米社会と異なり自力で勝ち取った 民主主義 ではなく、戦後米国に国を司るルールとして与えられた 民主主義 なので、本当の意味で国民の意識の中で民主主義が育っていないと思います。

      民主主義社会の原点とも言える 選挙の投票率の低さ が、その一端を物語っていると思います。

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